第4回 「本にまつわる俳句大会」入賞俳句発表

【ご挨拶】

 「第4回本にまつわる俳句大会」にたくさんのご応募ありがとうございました。
 3年前に、神田古本まつりの一環として始まりました「本にまつわる俳句大会」ですが、入賞作品を発表しておりました「神保町公式ガイド」がリニューアルしたため掲載スペースが無くなり東京古書組合が引き継ぐことになりました。
 ウエブ上の発表となりましたので、かねてより応募者からご要望のあった応募全句を掲載することといたしました。ご後援をいただいております本阿弥書店発行の「俳壇」にも入賞句は掲載され ます。兼題を「本にまつわる」としたことで最初は不安もありましたが、回を重ねるごとに様々な作品が寄せられて俳句の可能性を広げているように思います。
 来年は第5回を迎えます。応募下さった方はもちろん、今回応募を見送った方々も、未知の方々も奮ってご応募下さい。

「選者入賞俳句と選評」のページはこちら

【選者】

池田澄子
神奈川県生まれ。堀井鶏「群島」入会。同人。三橋敏雄「檣の会」入会。現代俳句協会賞受賞。句集に『空の庭』『たましいの話』ほか。
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伊藤伊那男
長野県生まれ。皆川盤水の「春耕」入会。同人。俳人協会新人賞授賞。「銀漢」創刊。主宰。日本文芸家協会会員。俳人協会幹事。句集に『銀漢』『知命なほ』。
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齋藤愼爾
京城生まれ(現・韓国ソウル特別市)。秋元不死男に師事。氷海賞受賞。深夜叢書社を設立。「季刊俳句」創刊。芸術選奨文部科学大臣賞受賞。芝不器男俳句新人賞選考委員。
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水内慶太
中国・北京生まれ。上田五千石に入門。「畦」同人。畦賞受賞。中原道夫「銀化」創刊に参加。俳人協会会員。「月の匣」創刊。主宰。句集に『月の匣』。
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宮坂静生
長野県生まれ。富安風生、加倉井秋を、藤田湘子に師事。「岳」創刊。主宰。現代俳句協会賞受賞。読売文学賞受賞。信州大学名誉教授。現代俳句協会会長。
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(敬称略・五十音順)

【受賞句】

大賞(水内慶太3点 宮坂静生3点 伊藤伊那男1点 合計7点)
 書淫の目上ぐればあづきあらひかな 田中喜翔(たなかきしょう) 千葉
東京古書組合賞(池田澄子3点 宮坂静生2点 伊藤伊那男1点 合計6点)
 主人公そろそろ死にさうな夜長 今井麦(いまいむぎ) 東京
本阿弥書店賞(伊藤伊那男3点 水内慶太1点 合計4点)
 灯火親し本のなかなら会へる人 田中喜翔(たなかきしょう) 千葉

 

以下、全応募作品(応募者の五十音順)。たくさんのご応募ありがとうございました。
次回もよろしくお願い申し上げます。

秋暑しプラタナスの下古書選らむ 秋津結(あきつゆい) 埼玉
教科書を枕辺に置く新学期 秋津結(あきつゆい) 埼玉
神保町本の回廊とこしなへ 秋津結(あきつゆい) 埼玉
図書室の微かな寝息夏の果
宮坂静生選 入選
飯豊彬(いいであきら) 東京
夏果ての床屋の写真週刊誌 飯豊彬(いいであきら) 東京
雁渡し古城に誘ふ旅雑誌 飯豊彬(いいであきら) 東京
頁繰る机は嶼や秋の宵 池田桐人(いけだとうじん) 埼玉
敬老の日も顔ぶれ同じ閲覧室 池田桐人(いけだとうじん) 埼玉
開店の新刊匂ふ今朝の秋 池田桐人(いけだとうじん) 埼玉
見開きの天狗の鼻に木の実落つ 石井きき(いしいきき) 東京
月夜茸魔女の呪ひはとけずをり 石井きき(いしいきき) 東京
隊商の王族に狼の裔 石井きき(いしいきき) 東京
鬼灯熟るるあの恋の物語 石井きき(いしいきき) 東京
天界の玉座に在す蟇 石井きき(いしいきき) 東京
大戦の航海日誌天の川 石井きき(いしいきき) 東京
失なはれた時を求めてソーダ水
宮坂静生選 佳作
伊藤恵子(いとうけいこ) 東京
モナリザ笑む「硝子戸の中」漱石忌 伊藤恵子(いとうけいこ) 東京
のどかさや読みつまどろみ万葉集
池田澄子選 佳作
伊藤恵子(いとうけいこ) 東京
主人公そろそろ死にさうな夜長 [東京古書組合賞]
池田澄子選 特選伊藤伊那男選 佳作宮坂静生選 入選
今井麦(いまいむぎ) 東京
文庫本のページのめくれ夏の果 今井麦(いまいむぎ) 東京
初版本てふ脆きもの秋ともし 今井麦(いまいむぎ) 東京
紐解けば古書にほのかや風薫る 大井量雄(おおいかずお) 静岡
歳時記に去年の紅葉の栞かな 大井量雄(おおいかずお) 静岡
歴年の古書の匂や曝書する 大井量雄(おおいかずお) 静岡
裏路地の古書の立ち読み秋思とも 大野田井蛙(おおのだせいあ) 埼玉
読書の秋本読む人の無き車内 大野田井蛙(おおのだせいあ) 埼玉
古書街の主の博識秋扇 大野田井蛙(おおのだせいあ) 埼玉
徒然草邯鄲の声栞とす
伊藤伊那男選 入選齋藤愼爾選 佳作宮坂静生選 佳作
大野田井蛙(おおのだせいあ) 埼玉
西行の一行映す稲つるび 大野田井蛙(おおのだせいあ) 埼玉
灯火親しと言へどスマホのキー叩く 大野田井蛙(おおのだせいあ) 埼玉
ハンモックへアンネとゲバラ連れてゆく 大溝妙子(おおみぞたえこ) 東京
時空超え夜長を臨書高野切 大溝妙子(おおみぞたえこ) 東京
皇后のあくがれの街ちちろ鳴く 大溝妙子(おおみぞたえこ) 東京
書一冊われを拡げて天高し 織田め以(おだめい) 岐阜
読書の秋耽溺といふ羞恥あり 織田め以(おだめい) 岐阜
活字追ひ昼寝快楽に引込まれ 織田め以(おだめい) 岐阜
思ひ出をこぼさぬやうに曝書かな
伊藤伊那男選 佳作
垣花千春(かきはなちはる) 宮城
図書館のカーテンは白蝉時雨 垣花千春(かきはなちはる) 宮城
名月や目を瞑るごと本を閉づ
池田澄子選 入選
垣花千春(かきはなちはる) 宮城
枕辺に枕草子夜長人
水内慶太選 佳作
加藤金太郎(かとうきんたろう) 東京
職はなれ奥の細道辿る旅 加藤金太郎(かとうきんたろう) 東京
隠れたる古書通信は愛読書 加藤金太郎(かとうきんたろう) 東京
敬老の日団塊集ふ古書の街 金井硯児(かないけんじ) 静岡
渋柿や本屋はどこも無愛想
水内慶太選 入選
金井硯児(かないけんじ) 静岡
月の夜路にせり出す古書の塊 金井硯児(かないけんじ) 静岡
帰省子の子の恐竜の英語本
池田澄子選 入選
朽木直(くちきちょく) 東京
パズル本三冊妻の夜長かな 朽木直(くちきちょく) 東京
鯛焼を持ち替へ古書の店めぐり 朽木直(くちきちょく) 東京
つれづれにエセー拾へば冴返る 国光六四三(くにみつむしみ) 兵庫
秋日射す図書館は知の万華鏡 国光六四三(くにみつむしみ) 兵庫
寺町の古書肆の奥へ懐手 国光六四三(くにみつむしみ) 兵庫
夕立や書店飛び入り雨宿り 小泉芝雲(こいずみしうん) 千葉
気の向くまま古書店廻り秋日和 小泉芝雲(こいずみしうん) 千葉
古書店のなじみ店主は芝居好き 小泉芝雲(こいずみしうん) 千葉
添ひ寝して吾子に読みやる童話かな 小林雅子(こばやしまさこ) 東京
母逝くや秋思の父へ文庫本 小林雅子(こばやしまさこ) 東京
漱石の「門」また読みし夜長かな 小林雅子(こばやしまさこ) 東京
紙魚なるは人後に落ちぬ本の虫 金野露山(こんのろざん) 栃木
蔵書印押して息継ぎ天高し 金野露山(こんのろざん) 栃木
古書まつり小脇に汗し背文字追ふ 金野露山(こんのろざん) 栃木
かんだまつり全國よりの本と人 佐古田昭三(さこだてるぞう) 埼玉
古本に一攫千金求めけり
水内慶太選 入選
佐古田昭三(さこだてるぞう) 埼玉
かんだまつり酒を呑まずに本を買ふ 佐古田昭三(さこだてるぞう) 埼玉
良寛を詠む山路気づかふ栗のいが 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
久方の大辞書ほのか春のちり 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
啄木もハイネも焼けて終戦忌 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
ドガの「踊り子」スカートに春ふくらます 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
螻蛄鳴くや卒寿のめくる紙の辞書 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
校舎無く本無く靴なく終戦忌 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
青春のかけら見付けし書架の隅
伊藤伊那男選 入選
佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
切なさの仮名にこぼるる歌かるた
伊藤伊那男選 入選
佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
納経帖の八十路の筆や菊香る 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
江戸文字に贔屓名のあり初芝居 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
読み難し神神の名や目借時
齋藤愼爾選 佳作
佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
汗で読みし防空壕のうすあかり 佐古田安子(さこだやすこ) 埼玉
国原に鷹の渡りや創世譚
宮坂静生選 佳作
執行香(しぎょうこう) 千葉
吾の紡ぐ生も一書や星月夜
水内慶太選 入選
執行香(しぎょうこう) 千葉
鳥渡る風土記にあまた神のみ名 執行香(しぎょうこう) 千葉
アリガトウと鸚鵡の応ふ古本屋 白濱武子(しらはまたけこ) 東京
書店且つ茶店で過ごす居待月 白濱武子(しらはまたけこ) 東京
湯治客の置きゆく宿の本の数 白濱武子(しらはまたけこ) 東京
悪食の書を傍らに雪見酒 祐森水香(すけもりみか) 埼玉
古書積んで古酒を重ぬる独りかな 祐森水香(すけもりみか) 埼玉
旅の夜の蚊遣妖怪草双紙 祐森水香(すけもりみか) 埼玉
悴みて女工哀史を閉ぢにけり 鈴木恭子(すずききょうこ) 埼玉
手引き書の付箋なないろ鰯雲 鈴木恭子(すずききょうこ) 埼玉
立読みの新書匂へる淑気かな 鈴木恭子(すずききょうこ) 埼玉
積ん読に頭預けて昼寝かな 鈴木淳子(すずきじゅんこ) 東京
図書館に片蔭もとめ飛び込めり 鈴木淳子(すずきじゅんこ) 東京
押し花の重しになりし広辞苑 鈴木淳子(すずきじゅんこ) 東京
貸本を又貸しにして鴛鴦涼し 染井かしこ(そめいかしこ) 東京
すかんぽや末巻のみが欠けてゐて 染井かしこ(そめいかしこ) 東京
大年のすれつからしの栞ひも
齋藤愼爾選 特選
染井かしこ(そめいかしこ) 東京
古書店の匂ひかきまぜ扇風機
伊藤伊那男選 佳作
曽谷晴子(そやはるこ) 神奈川
秋蝶や本閉づるかにとまりたる 曽谷晴子(そやはるこ) 神奈川
借りし本返さぬままに星流る 曽谷晴子(そやはるこ) 神奈川
秋麗にスカイツリーの立つ絵本
水内慶太選 佳作
曽谷晴子(そやはるこ) 神奈川
生き様を示す書棚や虫の夜 曽谷晴子(そやはるこ) 神奈川
蜜柑園棚にパソコン講座本
池田澄子選 入選
曽谷晴子(そやはるこ) 神奈川
赤とんぼスタンダールの本のうへ そら紅緒(そらべにを) 沖縄
広辞苑詩篇のやうに諳ずる
齋藤愼爾選 入選
そら紅緒(そらべにを) 沖縄
宇宙飛行士も泳いでゐる図書館 そら紅緒(そらべにを) 沖縄
赤まんま絵本コーナー広がりぬ そら紅緒(そらべにを) 沖縄
まくなぎや本と惣菜前籠に そら紅緒(そらべにを) 沖縄
このきのこ白雪姫の指定席 そら紅緒(そらべにを) 沖縄
龍太集盆地にひびく遠花火 高村遊子(たかむらゆうこ) 神奈川
赤のまま縁しの吟詠よみ返す 高村遊子(たかむらゆうこ) 神奈川
手にあます中川一政古書五巻 高村遊子(たかむらゆうこ) 神奈川
秋うらら染みの二重の料理本 武井まゆみ(たけいまゆみ) 東京
何度でも飛び出す絵本月の雨
伊藤伊那男選 佳作
武井まゆみ(たけいまゆみ) 東京
螻蛄鳴くやなかなか抜けぬ本の函
伊藤伊那男選 入選宮坂静生選 入選
武井まゆみ(たけいまゆみ) 東京
全集を売りに行く日の鰯雲 竹内宗一郎(たけうちそういちろう) 東京
栞紐挟んで夏を惜しみけり
池田澄子選 入選
竹内宗一郎(たけうちそういちろう) 東京
長き夜の新潮文庫ボッコちやん 竹内宗一郎(たけうちそういちろう) 東京
コスモスが揺るる絵本をめくるたび
宮坂静生選 入選
竹内宗一郎(たけうちそういちろう) 東京
鵙鳴くや昏き書棚のカムイ伝 竹内宗一郎(たけうちそういちろう) 東京
読了や視線は月を捉へたる
池田澄子選 入選
竹内宗一郎(たけうちそういちろう) 東京
古書店主六階奥の秋の声 武田花果(たけだかか) 東京
桐箱の自筆小説風入れて 武田花果(たけだかか) 東京
駅の名の文庫一冊夏終る 武田花果(たけだかか) 東京
つれづれに秋の日和を古書めぐり 武田禪次(たけだみねつぐ) 東京
四庫全書凌ぐ神田の書架の列 武田禪次(たけだみねつぐ) 東京
古書街の灯の落ちてより虫の闇
池田澄子選 佳作
武田禪次(たけだみねつぐ) 東京
灯火親し本のなかなら会へる人 [本阿弥書店賞]
伊藤伊那男選 特選水内慶太選 佳作
田中喜翔(たなかきしょう) 千葉
書淫の目上ぐればあづきあらひかな [大賞]
伊藤伊那男選 佳作水内慶太選 特選宮坂静生選 特選
田中喜翔(たなかきしょう) 千葉
汗牛充棟秋灯を明うせよ
池田澄子選 佳作
田中喜翔(たなかきしょう) 千葉
なた豆や探す昭和の料理本 谷口いづみ(たにぐちいづみ) 神奈川
秋燕忌真直ぐにつづく古書の街 谷口いづみ(たにぐちいづみ) 神奈川
秋日差しあびせむ古き原爆図 谷口いづみ(たにぐちいづみ) 神奈川
寝待月宇治十帖に焦らされて
齋藤愼爾選 佳作
谷口いづみ(たにぐちいづみ) 神奈川
アガサなる人と添ひ寝の夜長かな 谷口いづみ(たにぐちいづみ) 神奈川
二日月鏡花のをんななど出さう
水内慶太選 佳作
谷口いづみ(たにぐちいづみ) 神奈川
鬼の子や捨てざる本と捨つる本 千田忍冬(ちだにんどう) 静岡
古書ふれてまつたりとした日の余白 千田忍冬(ちだにんどう) 静岡
親鸞と月下美人にあはす息 千田忍冬(ちだにんどう) 静岡
コンサイスは兄の形見や終戦日
池田澄子選 佳作
月野木潤子(つきのきじゅんこ) 神奈川
一書売り一書購ふ古書の市 月野木潤子(つきのきじゅんこ) 神奈川
本さがす我が蔵書印捺したくて 月野木潤子(つきのきじゅんこ) 神奈川
幼子の昼寝を包む父の本 辻本芙紗(つじもとふさ) 東京
父を真似燈火親しむ子の図鑑 辻本芙紗(つじもとふさ) 東京
小説の夢へ広ごる夜長かな 辻本芙紗(つじもとふさ) 東京
受験誌に拙句特選万年筆 鶴田幸男(つるたゆきお) 東京
秋晴や学友の画集古書店に
池田澄子選 佳作
鶴田幸男(つるたゆきお) 東京
秋冷や古書店街を後にして 鶴田幸男(つるたゆきお) 東京
天高しワゴンセールの古本屋 栩一洋(とちいちよう) 東京
蒲の穂絮使いまはしの国語辞書 栩一洋(とちいちよう) 東京
修理書の閉じれぬページ地虫鳴く 栩一洋(とちいちよう) 東京
竜田姫「本屋大賞」欋ひ往く 中島芳江(なかじまよしえ) 千葉
一巻は「ニューヨーク」から旅の本 中島芳江(なかじまよしえ) 千葉
古書店の秋の風鈴詩を誘ふ 中島芳江(なかじまよしえ) 千葉
頁繰る指先に疵夜長かな 中村珠実(なかむらたまみ) 東京
かなかなや傍線残る初版本 中村珠実(なかむらたまみ) 東京
せせらぎと風と文庫と避暑の宿 中村珠実(なかむらたまみ) 東京
教科書に墨塗りたるは秋のこと 馬場菊子(ばばきくこ) 群馬
文庫本読む病院の待ち時間 馬場菊子(ばばきくこ) 群馬
新松子テストに古事記と古事記伝 馬場菊子(ばばきくこ) 群馬
月渡る絵地図片手に郷土の誌 濵子美作子(はまこみさこ) 愛知
コンビニの雑誌立ち読む夜半の月 濵子美作子(はまこみさこ) 愛知
長き夜にエルマエロマエ一気読み 濵子美作子(はまこみさこ) 愛知
一月の兄今際まで本を恋ふ 濵子美作子(はまこみさこ) 愛知
月光に絵本抜け出るかぐや姫
伊藤伊那男選 入選
濵子美作子(はまこみさこ) 愛知
運転の教本捲る父子に月 濵子美作子(はまこみさこ) 愛知
天高く古書の宝庫や神保町 日景洋一(ひかげよういち) 東京
秋灯下スマホで読むや漱石本 日景洋一(ひかげよういち) 東京
図書館の閲覧室に菊の鉢 日景洋一(ひかげよういち) 東京
新涼や初めましての手話の本
齋藤愼爾選 佳作
松木直子(まつきなおこ) 東京
古書店にひそむ一冊稲光 松木直子(まつきなおこ) 東京
積ん読の峰高々といわし雲 松木直子(まつきなおこ) 東京
青い目のあぶな絵見入る西日かな 光汪(みつおう) 東京
行く秋や書庫の軋みをひとつ聞く
齋藤愼爾選 佳作
光汪(みつおう) 東京
秋惜む頁めくる指紋かな 光汪(みつおう) 東京
戦記物多き書棚に秋日濃く 宮本起代子(みやもときよこ) 神奈川
老いし師の解く創世記秋没日
水内慶太選 佳作
宮本起代子(みやもときよこ) 神奈川
読みさしの「夫婦善哉」小望月
齋藤愼爾選 入選
宮本起代子(みやもときよこ) 神奈川
戦争を語らぬ父の『野火』重し
水内慶太選 入選
三好游糸(みよしゆうし) 神奈川
敗戦忌父の蔵書の附箋追ふ
齋藤愼爾選 入選
三好游糸(みよしゆうし) 神奈川
長き夜や一葉日記読み通す 三好游糸(みよしゆうし) 神奈川
序も跋もなき私家集の瑞々し 三好游糸(みよしゆうし) 神奈川
目貼して書斎何やら秘密めく 三好游糸(みよしゆうし) 神奈川
笑栗や孫子も同じ本の虫 三好游糸(みよしゆうし) 神奈川
百年を超へる古書店天高し 安村庵村(やすむらあんそん) 東京
幾たびも開く長篇年始まる 安村庵村(やすむらあんそん) 東京
神神に捧げし書物冬銀河 安村庵村(やすむらあんそん) 東京
感想文中途のままにゆだち過ぐ 安村庵村(やすむらあんそん) 東京
長篇を読み終へたるは登山かな 安村庵村(やすむらあんそん) 東京
夏休み晴れ雨曇り日記帖 安村庵村(やすむらあんそん) 東京
北窓を開き世に出す書簡集 安村庵村(やすむらあんそん) 東京
読み終へてカバーを外し薄暑光
宮坂静生選 佳作
安村庵村(やすむらあんそん) 東京
ミステリー読むうち頭脳濁酒なり 安村庵村(やすむらあんそん) 東京
蚯蚓鳴く神代文字を紐解けば
齋藤愼爾選 入選
山下美佐(やましたみさ) 東京
古寺巡礼携へ月の春日野へ 山下美佐(やましたみさ) 東京
万葉に辿る人麻呂水の秋 山下美佐(やましたみさ) 東京
本棚に紙魚として生きながらへる 吉川葭夫(よしかわよしお) 東京
標本にならぬ空蝉日が沈む
宮坂静生選 入選
吉川葭夫(よしかわよしお) 東京
鵙の高音本筋たどり飛ばし読み
齋藤愼爾選 入選宮坂静生選 佳作
吉川葭夫(よしかわよしお) 東京
長月の古書の即売会漁る ろくかふ潤一(ろくかふじゅんいち) 神奈川
「のらくろ」を借りる嬉しさ天高し ろくかふ潤一(ろくかふじゅんいち) 神奈川
貰ひたる本に折り癖遠蛙 ろくかふ潤一(ろくかふじゅんいち) 神奈川
図鑑から地球を眺め汲むビール 若山千恵子(わかやまちえこ) 岐阜
晩夏光一語に重き辞書を引き
水内慶太選 入選
若山千恵子(わかやまちえこ) 岐阜
郭公の一声書見の目をやすめ 若山千恵子(わかやまちえこ) 岐阜