二年連続売上増
新しいもの好き
育った時代の本を中心に
ひとつの古書展を通じて
大阪モダン古書展より
 

大阪モダン古書展より

大阪・矢野書房 矢野 龍三


 ようやく朝晩涼しくなってきました。今年の夏は本当に暑かった。私共にとっても大阪古書組合での月いち即売会・百貨店での催事・恒例のOMM大即売会・モダン古書展・お盆の天神橋おかげ館プチ古本まつりなどなど、まさに古書即売会夏の陣といった様相を呈しておりました。その内私共の仲間みんながガンバッタ「モダン古書展」での「古本サミット」の様子をクライン文庫さん、モズブックスさんたちのレポートを参考にご報告申し上げたいと思います。又、今後も続く即売会の宣伝になればなどと考えております。
〈古本サミットT・U〉
 於・大阪古書会館/芦屋市美術館  平成20年6月7日(土)午後1時より、大阪古書会館6Fの会議室にて「古本サミット VOL.1本の買い方」が行われました。当日は、古本屋を中心に、新刊書店の方、一般のお客様を含め約30名が参加。最初に、司会のクライン文庫・フルカワさんより趣旨の説明。以下の四つのテーマに沿って活発な議論がなされました。

(一)古本屋さんは、如何にして本を買うのか。  市会が中心で、客買いは難しいとの発言が相次ぐ中、天牛堺さんからは市会よりも客買いの方がやりやすいとの御意見。一般の方は、古本屋側の利益分も含めてこの金額になると、きちんと自信を持って説明すれば納得していただけるが、市会では儲からないぐらいの高値になることもあるから、と。

(二)古本と新刊本の買い方に違いはあるのか。  新刊書店にお勤めの方からは、「やはり違う。いつも新刊書店で買っている人は、品切れ本で古本屋にならあるかもと御案内しても、古本屋まで探しにいかないのではないか。あと、今テレビで紹介してた本と言って問い合わせてくる方も多い。そういう人は古本屋には行かないだろう」との御意見。

(三)古本の販売価格はどのように決まっていくのか。  古本屋にとっては企業秘密的なところもある話しにくいテーマだと思いますが、「相場は過去の経験から決まってくる」「仕入れ値と経費を考慮して付ける」となかなか堅実なお答え。「日本の古本屋」が出来たことで、値段の付け方が変わってきたのでは? との問いかけにも、「参考にはするけど、あまり左右はされない。そういうものが通用しない商品もあるので、そこでいくらの値段を付けられるかが、古本屋の力」と頼もしい意見が出されました。古書象々さんからは、「自分はまず生活者なので、その日のお金の要り用によって値段を決める。」とのユニークな発言もありました。

(四)古本の価格は、本当に、安い方がいいのか。  一様に「安いにこしたことはないでしょう。」とにべもない返事が返されましたが、「安く付けすぎてお客様から怒られたことがる」というお話も。一括で買った映画パンフを目録に載せた時、希少品が混ざっていて、知らずに安値を付けていた為、注文が殺到し、こんな値段では絶対ハズレてしまう!と抗議されたということです…。このあたりで時間切れ。  続いて7月19日(土)モダン古書展(芦屋)にて「古本サミット VOL.2本の売り方」が開催されました。古書店主11人とお客様およそ20人が対面形式で着席し、討議。各古書店主がそれぞれ力を入れている「売り方」を披露するなど、前半は古書店サイドに発言機会が多かったようですが、後半からはそれを踏まえてお客様のご質問に答える形に移行し、積極的な討論、意見交換が行われました。サミットは予定の2時間を大幅に超過し、休憩なしに2時間半近くも続きました。  お客様からのアンケートには「古本屋さんたちの本音・問題点が聞けて、非常に参考になった」「各店主さんのお顔と肉声にふれることができたのが収穫でした」という声をいただきました。  われわれ古書店主も、帳場の奥にじっと座っているだけでなく、こういう機会を設けて、お客様の声をじかに聞かせていただくとともに、お客様に対して古本屋のやろうとしていることを積極的に発言していく必要があるのかもしれません。そういう意味では、大阪と芦屋で行われた2度の「古本サミット」は、古本屋にとっても、いろいろと大きな収穫がありました。 〈『谷町月いちAuAu通信』について〉  AuAu通信は「谷町月いち古書即売会」会場にて配布いたしますが、遠方で会場には行けないけれど読みたい! という方は『AuAu通信希望』とお書きの上、下記「谷町古本の会」迄お申し込み下さい。無料で送付いたします。


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