日本の古本屋


日本の古本屋メールマガジン

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 。.:*゜・☆*゜日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
     。.:*゜・☆*その2・2月21日号・*:.☆.
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◆INDEX◆
1.速報!新東京古書会館【その1】
2.必ず見つかる??書籍検索【基本編】
【最後に古書店情報を掲載しています】
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もう暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続いていますね。
うっかりこたつでうとうとして風邪を引いてしまった!
なんてことにならないよう、皆様ご注意下さい。

ところで、みなさんは東京古書会館をご存じですか?
明大通りを下り、駿河台下に着く、少し手前の道を左に入ったところに東京古書会館はあります。
創刊号の時にお話しした『市場』を開催したり、業者以外の人が古書を買うことが出来る『即売展』をおこなっていました。
現在は改築工事中で、古書即売展は日本教育会館、市場は別の場所で行っていますが、いよいよ新会館が6月に完成し、7月?8月頃から、即売展や市場も再び東京古書会館に戻ります。

以前の建物では即売展の会場が二階にありましたが、今回は地下に会場が移動します。
また二階には、情報交流コーナーを設け、古書に関する情報などの、各種展示を予定しています。

情報コーナーのアイデアやリクエストがございましたら、melma@kosho.ne.jpにお寄せ下さい。
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【本の探し方・基本編】
前回のメールマガジンのあと、「本の探し方」についての質問を受けました。
また、うちのお店にも、「これこれの本ありませんか」と尋ねてくるお客様がよくあります。
そこで、今回と次回の2回にわたって「本の探し方」について考えてみることにしました。今回は「基本編」です。

「本を探す」と一口に言っても、2種類の場合があります。

ひとつは、題名や著者がわかっている場合です。その場合はまず、
本のサーチエンジン「Books.or.jp」(http://www.books.or.jp/
などで、版元(出版社)に在庫があるかどうか調べましょう。
これでヒットするものはとりあえず定価で買うことができます。
「日本の古本屋」(http://www.kosho.or.jp/)で調べてみましょう。
送料込みでも、定価より安く手に入りそうなら、注文する価値があります。
新刊で欲しい場合や、お急ぎの場合は、なじみの新刊書店に注文するか、
bk1(http://www.bk1.co.jp/)や
紀伊國屋書店BookWeb(http://bookweb.kinokuniya.co.jp/
などのオンライン書店を利用してみるのもいいでしょう。

版元に在庫がない場合はどうしたらいいでしょうか。
この場合も、まずは日本の古本屋(http://www.kosho.or.jp/
で検索してみます。
何冊もヒットするようでしたら、近所の古書店の店頭で見つかるかもしれません。古書店の棚を探してみて下さい。
見つかれば、送料分お得です。
予想外に他の本と出会える可能性もあります。
ただし、日本の古本屋で近所の店がヒットしたからといって、いきなりそのお店に行くと空振りする事があります。
お店ではなく倉庫などに在庫をおいている場合も多いからです。
一度、電話やメールで連絡をしてから、お店に行くのが確実でしょう。

日本の古本屋でヒットしない場合には「探求書コーナー」
http://www.kosho.or.jp/servlet/tankyu.ksT001)に登録できます。
その分野を取り扱っている古書店に、探求書メールが配信され、
在庫があれば古書店から連絡がきます。

専門書や貴重な本の場合、日本の古本屋の「古書店検索」
http://www.kosho.or.jp/servlet/shopkensaku.ksS001)で、
そのジャンルの書籍を取り扱っているお店を調べることができます。
古書店によっては、データベースに登録していない在庫を持っていることもあるので、その分野に力のある書店に問い合わせてみるといいでしょう。
問い合わせ方ですが、探求書リストをいきなり、FAXやメールで送りつけても、まじめに取り組んでもらえない可能性が大です。
同じリストを他の古書店にも送ったと思われがちだからです。
古書店からしてみれば、市場(創刊号参照)でやっと落札してきた商品を「他で手に入れたからいらない」と言われてしまったらたまりません。
できれば、実際に店まで足を運んで、それが無理でもなんらかの方法でその本に対する情熱をわかってもらえば、古書店も真剣に取り組んでくれると思います。
古書店の在庫はたいがい一点限りです。だからなるべくその本を最も欲しがっている人に届けたいと思っています。
まして、貴重な本であれば、古本屋といえどめったに手にできません。
それなりのドラマを経て仕入れたはずです。
定期的に足を運んでくれるお客様を失望させないために、そういう本を売らないで取っておくというようなこともします。
そうそう、古書組合に探求書の問い合わせをしてくる方もいらっしゃいますが、あまり成果を得ることは出来ません。
お客様へのインフォメーションは業務の対象外となっているため、組合ではみなさんがご満足いただけるほどのご返答を返せません。

さて、もう一つの場合の話に入りましょう。
題名や著者があいまいな場合です。
そのときはまず書誌情報を集めることから始めます。
内容から問い合わせを受けても、古書店は在庫をすべて読んでいるわけではありませんから、十分にお答えできないことがあります。
ただ漠然と「こんな内容の本がないかな」というケースでは、国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/)が使えます。
件名からたどっていけば、未知の本を見つけることができます。

大体の著者なり題名なりがある程度わかっている場合は、前述のオンライン書店が役に立ちます。bk1は、書誌情報が充実しています。戦前の書籍も調べることができます。
BookWebは本の写真(業界用語で書影といいます)が充実していて店頭で本を探す助けになります。
書評や内容紹介も載っていて、かなり楽しめます。

ところで、「日本の古本屋」などのデータベースで検索する時に、一字でも違っていると検索されない場合があります。
書誌情報を確かめてから、検索することをお勧めします。
それと、旧字や歴史的仮名遣いもご注意ください。
「澁澤龍彦」は「渋沢竜彦」ではヒットしません。
「日本の古本屋」は複数の書店のデータが混在するサイトですので、旧字に対する考え方も書店によってまちまちです。
漢字だけでなく、題名と副題の区切り方などの書式が微妙に違うこともありますので、いろいろ試してみてください。

それでもわからないことは、古書店に聞いてみるといいかもしれません。
図書館などのデータとは異なる、微妙な点を驚くほどよく知っていることがあります。著者は忘れたけれど装丁者だけは覚えている、とか。
古本屋にとって貴重なことは、ごく些細な事柄である場合が多いので、図書館や書評誌などとは、また違った視点からの話が聞けると思います。

では、次回は古本屋のホンネを明かす「極意編」をお送りします。


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(C)2003 東京都古書籍商業協同組合