日本の古本屋


日本の古本屋メールマガジン
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◆INDEX◆
1.自著を語る第4回・「チリ交列伝」
2.東京古書会館「全国古本屋著作展」開催
3.ハード機器交換に伴う「日本の古本屋」サーバー停止のお知らせ
4.日本の古本屋即売展情報

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「自著を語る」コーナー、第4回は、古書いとう・店主の伊藤昭久
さんの「チリ交列伝」です。3月11日にちくま文庫から発売され
ました。
解説は、作家であり現役古書店主でもある出久根達郎さんです。
 

■チリ交列伝■

平成13年に論創社から出版された「チリ交列伝」は朝日新聞・読書の
ページ「著者に会いたい」で扱ってもらうなど少々話題になった本で
す。
筑摩書房のちくま文庫になった「チリ交列伝」は論創社版に書き加え
を行い、著者が古本屋になってからの話を「古本屋風雲録」として加
えました。
 店では文庫だけしか売れない古本屋としては「チリ交列伝」が文庫
になってくれたらという、かなえられないであろう望みを抱いており
ましたが、はかない望みが現実となり喜び大といったところです。

「ご町内の皆様毎度お馴染みのチリ紙交換でございます。ご家庭でご
不要になりました古新聞、古雑誌などございませんでしょうか、ござ
いましたらトイレットペーパー、化粧紙と交換いたします」と町を流
してあるく廃品回収業者をチリコーといいました。
 「チリ交列伝」は雇い主から見たチリコーの記録、話です。
古紙業から古本屋になった著者が社会の末端でうごめく人達と出来事
を描いたものです。
 上下関係など全くなかった雇い主とチリコーは仲間であり戦友であ
りましたから、同じ地平に立っているわけで、その姿勢、視点は同じ
だったのです。平たく言えば、一つ穴のムジナだったのです。
ですから、「チリ交列伝」はアナグマがムジナを描き、ムジナがアナ
グマを記録したものと言えるのです。

 チリコーは人の指図を受けたくない、不安定であっても自由気まま
でありたいといった人達でした。世の中には指図したがる人が五万と
いて、大方の人はいやいやながら親兄弟、女房子供のためにと指図に
従い我慢もするのですが、チリコーは皆がやっていることが出来ない
人達でした。
だれもがやっていることが出来なければ、常識のない奴、変わり者と
世間からつまはじきにされますが、チリコーはまさしくそれで、風変
わりな人達と言えました。
やる事なす事すべてうまくいかず、運から見放され、ツキもないゆえ
に風変わりにならざるを得なかった人達と言えるかもしれません。
 チリ紙交換は不良であっても、無頼派であっても、破天荒であって
も、無法者でない限りできましたから、親も無し、妻無し子無し板木
無し、金も無ければ死にたくも無しの六無斎、そのうえ教養もなけれ
ば、思慮分別も無しのチリコーには真向きの仕事でした。
 梁山泊に陣した英雄、豪傑を陽画とするならば、チリ交基地(タテ
バ)にうごめくチリコー群像はその陰画と言えるかもしれません。
 
「本書はそのタイトルのごとく、一筋縄ではいかぬ、まことに複雑な内容の一奇書
であり、後世に残すべき風俗資料の好著であると声を大にして言う。」と出久根達
郎氏が解説してくれています。
 

■チリ交列伝―古新聞・古雑誌、そして古本
著者:伊藤昭久
ちくま文庫、価格 税込¥735
好評発売中
文庫: 246 p ; サイズ(cm): 15
出版社: 筑摩書房 ; ISBN: 4480420754 ; (2005/03)
解説:出久根達郎

■伊藤昭久
1942年、山梨県生まれ。日本学園高校、青山学院大学法学部卒。
株式会社山梨シルクセンター(現サンリオ)、生厚産業株式会社(綿
布製造 浜松市)。製紙原料商 伊藤興商株式会社をへて、現在、
古本店・古書いとう 店主。
著書に「古本屋の自画像」「古本屋の来客簿」(共著 燃焼社)


『チリ交列伝』書籍情報

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480420754/qid=1111716330/
sr=1-1/ref=sr_1_8_1/250-1497975-8837019#product-details

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■東京古書会館イベント情報■

◇全国古本屋著作展 開催!◇ 2005年4月21日(木)〜4月24日(日)

時間:午前10時〜午後6時(最終日のみ午後5時まで)
東京古書会館 2F 情報コーナー

全国からお寄せいただいた古本屋の著作を一挙ご紹介。
古書店主の意外な趣味が分かったり、古書店主の奥さんが書いた
業界の裏話的な本から、もちろん「本に関する本」も多く、
著者を「古本屋」と限ったにも関わらず、さまざまなジャンルの
本が集まりました。
「本」そのものがお好きな方、古書業界に興味がある方、古本屋
に興味がある方、この機会にその世界の一端をのぞいて見て下さい。


◇同時期にトークイベントも開催!◇

「古本屋の本」について語る

鼎談ゲスト:八木福次郎氏(日本古書通信社・社長)、青木正美氏
(青木書店・店主)、小林静生氏(小林書店・店主)
日時:2005年4月23日(土)午後2時より
場所:東京古書会館
 
 古書業界に造詣の深い八木福次郎氏と現役古書店主・青木正美氏、
山岳書専門店店主・小林静生氏の鼎談です。
知識も経験も豊かなお三方の鼎談は、大変興味深いものです。
お気軽にご参加下さい。

いずれのイベントも入場無料。
是非お立ち寄り下さい。


◇「古本屋が書いた本」目録 発売!◇

「全国古本屋著作展」当日、会場において「『古本屋が書いた本』目録」
を発売!会場頒布価格(予価)500円。
B5判、50ページ前後、700点以上もの著作を掲載。
ご期待下さい!

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■ハード機器交換に伴うサーバー停止のお知らせ■

「日本の古本屋」サイトのハード機器交換を下記の日程にて行います。
その間、「日本の古本屋」サイトのご利用が出来なくなります。
ご了承ください。

2005年4月6日(水) 午前0時〜午後24時まで

みなさまには大変ご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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■日本の古本屋 即売展情報■

4月・5月の即売展情報。

http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

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http://www.kosho.ne.jp/melma/
次回は2005年4月下旬頃発行。
お楽しみに!

。.:*゜・☆*゜本を売るときは、全古書連加盟の古書店で。☆*.:*゜*

     *全古書連は全国古書籍商組合連合会の略称です。
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日本の古本屋メールマガジンその25 2005.3.28
【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・事業部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3ー22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp(メールマガジン専用)
     URL http://www.kosho.or.jp/
【発行者】
広報部:中野照司 藤原栄志郎
事業部:田中隆志 T K I: 岩森正文
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