日本の古本屋


日本の古本屋メールマガジン

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◆INDEX◆
1.自著を語るその13・
  『古書の街神保町の生き字引き 八木福次郎さんの新刊』 
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

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「自著を語る」コーナー、今回は八木福次郎氏に「書痴斎藤昌三と
 書物展望社」
(平凡社刊:http://www.heibonsha.co.jp/
について語って頂きました。


神保町は古書の街です。この街で長年古書と人を見続けて70年。
古書店と読者をつなぐ情報誌「日本古書通信」(月刊 B5判 約
64頁)を発行して71年。八木福次郎さんが、新刊「書痴斎藤
昌三と書物展望社」を出版しました。今回の書痴という言葉はこの
人のためにあるのではないかと思える、斎藤昌三のことを語って
もらいました。


■古書の街神保町の生き字引き 八木福次郎さんの新刊■

 平成十五年一月号から十六年二月号にかけて私は、「日本古書
通信」に「少雨叟斎藤昌三翁 人と仕事」を十三回にわたって連
載した。それが平凡社編集部の首藤さんの目にとまって、少し手
を入れて本にしないか、という話があったのは、昨年五月頃だっ
た。少し手を入れたぐらいで本になるなら、と軽い気持ちでお願
いすることにした。しかし手を入れはじめると、あれもこれもと
書き加えたり直したくなる、雑誌の連載と単行本では違うことは
始めからわかってはいたが、結局大分書き改めることになった。
始めから全体的に書き直していたら恐らくまだ本にはなっていな
いだろう。八十八歳の米寿の時、「書国彷徨」(日本古書通信社
刊)をだし、今回この「書痴斎藤昌三と書物展望社」は卆寿の記
念にと、自分なりに考えていたので、この四月には九十一歳にな
ってしまうので、何とかそれまでに本にしたかった。大分手は入
れたが、全面的な書き下ろしとはほど遠いながら、一月十一日に
発行できた。
 
 書物展望社があった新富町や木挽町へはよく夕方からでかけた。
当時顔を合わせた火金会の人達の多くは過去の人になってしまっ
って当時のことを聞くにも殆んどいなくなってしまった。斎藤翁
逝いて四十五年という歳月を、改めて思い知らされたのであった。
 私は昭和十年に初めて斎藤さんにお会いして、二十六年間のお
付き合いであったが、知らない時代のことは、古くは「おいら」
「いもづる」や「愛書趣味」「書物展望」の斎藤さんの書かれた
編集雑記や随筆などである程度は知ることができた。
 斎藤さんは古書業界にもいろいろと貢献されている。デパート
古書展の最初は昭和七年一月、斎藤さんの奔走で日本橋白木屋で
開らかれた東西連合古書展で、その後ほかのデパートでも開かれ
るようになった。

 最近、芳林文庫さんから、小栗虫太郎の「爆撃鑑査写眞七号」
という本について、その本の奥付に、発行者大信田金生、刊行先
不盡書院、発売所書物展望社、昭和十三年一月発行、という本に
ついて、斎藤昌三との関係などを聞かれた。大信田金生の住所が
当時の書物展望社と同じ京橋区新富町三ノ七となっている。大信
田金生は恐らく本名金次郎、号は落花、啄木と「小天地」をだし
た人と考えて間違いないと思う。金次郎は昭和の初め頃、斎藤さ
んのところへ転がりこんできて、斎藤さんは事務所のあった相馬
ビルに住まわせて仕事を手伝わせていた、と書いている。

 日本古書通信社が小川町小学校(現在広場)の前にあった頃、
斎藤さんも金次郎氏もよく事務所に見えたが、不盡書院や小栗虫
太郎の本についてはついぞ聞いたことはなかった。私が兄の仕事
を手伝うようになったばかりの頃で、今にして思うと、こうした
人にもっといろいろなことを聞いておけばよかったと、思うこと
しきりである。この本は書物展望社発行書目には入れていない。


■八木福次郎 やぎふくじろう■
1915年兵庫県明石市生まれ。
33年旧制加古川中学校卒業後、上京して古今書院に入社。
36年より『日本古書通信』の編集に携わる。
63年日本古書通信社代表取締役となり、今日にいたる。
主な著書に『著者別書目集覧』(川島五三郎共著、六甲書房)、
『小型本雑話』(こつう豆本)、『古本屋の手帖』『古本便利帖』
『古本屋の回想』(以上、東京堂出版)、『書国彷徨』(日本古書
通信社)、『私の見てきた古本界70年』(スムース文庫)など
多数。


■『書痴斎藤昌三と書物展望社』
著者:八木福次郎
発行:平凡社(http://www.heibonsha.co.jp/
   2006年1月発行
定価:2,940円(本体:2800円)
ISBN:4−582−83313−6
判型:四六判
ページ数:200ページ


■月刊誌「日本古書通信」をプレゼントいたします■
今回、日本古書通信社(URL:http://www.kosho.co.jp/kotsu/
メール: kotsu@kosho.co.jp)さんのご好意で、メルマガの読者の方
に「日本古書通信」(B5・約64頁)の見本誌を先着100名様
に無料で差し上げます。
(号数はこちらで決めさせていただきますのでご承知下さい) 
お名前・郵便番号・ご住所・お電話番号を明記して、メールにて
お申し込み下さい。


次回のメルマガは、岡崎武志さんの「気まぐれ古書店紀行」
(四六判 432項 2,415円 発行:工作舎
http://www.kousakusha.co.jp/ 発売中)です。
ご期待下さい。


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■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。
http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3−22
東京古書組合・広報部 

まで。

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■日本の古本屋 即売展情報■
2月〜6月の即売展情報。
http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

新宿展の日程が変更になっております。
最新情報をご確認下さい。

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次回は2006年3月下旬頃発行。
お楽しみに!

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     *全古書連は全国古書籍商組合連合会の略称です。

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日本の古本屋メールマガジンその36 2006.2.24
【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・事業部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3−22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/
【発行者】
広報部:中野照司 藤原栄志郎
事業部:田中隆志
TKI:岩森正文

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