日本の古本屋


日本の古本屋メールマガジン
■■■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■
 。*..*.:☆.:*・日本の古本屋メールマガジン・*:.☆.:*..*。
     。.☆.:* その40・5月24日号 *:.☆. 。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このメールは日本の古本屋会員の方で、メールマガジンの配信を
希望された方にお送りしています。
ご不要な方の解除方法はメール下部にございます。
【日本の古本屋】は全国730書店参加、データ443万点掲載
の古書籍データベースです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆INDEX◆
1.自著を語るその16・『物語のある店番』 
2.「古本屋が書いた本」展目録
3.日本の古本屋即売展情報

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「自著を語る」コーナー、今回は向井透史氏に「早稲田古本屋日録」
(右文書院( http://www.yubun-shoin.co.jp/
について語って頂きました。


■物語のある店番■

 今年の2月に、『早稲田古本屋日録』という本を出しました。自
分の店である「古書現世」の帳場から見てきた、印象に残る出来事
やお客様たち、そして文字通り日々の日記を書きとめたものです。
これらは、自分の店の古書目録の裏面に書いてきたものなのですが、
思えば10年以上も書き続けてきたことになります。

 父親が開いた店を手伝うようになって、約15年となりました。
15年。短くない年月です。で、私の現在の年齢はいくつかと言え
ば、33歳。古本屋を継ぐ決意をしたのが高校を卒業してすぐ。ま
だ18歳でした。上記の古書目録を作り始めたのが19歳のころ。
文章を書き始めたのも、それが最初でした。当時は古書目録の最盛
期とも言えるころで、ある常連さんに「古本屋の日常でも書いて特
徴を出せ。じゃなきゃ生き残れない」なんて脅されて(笑)、言わ
れるがまま。目録製作の少し前に出あった、雪の日の焼き芋屋さん
との一コマを書いたのが最初となりました。ある大雪の降る日。遅
くまで仕事をしていた時に、「誰もでてきやしねぇ」と店に焼き芋
を押し売りに入ってきたおじさんとのやりとりを書いたものです。
この作品は、この本の一番最初に「大雪の夜」として収録していま
す。

 読み返してみると、恥ずかしいこともたくさんありました。「睡
魔」という作品では、お客様のご自宅に買い物にいきながら、つい
居眠りをしてしまったり(しかも起きたらタオルケットが身体に・
・・)、あまりに「うちは貧乏なので」というので、同じ貧乏同士
かと思って気軽にご自宅を訪れたら豪邸だったり(「貧乏談義」)。
そんな中、印象に残っているのが「書物の記憶」という一篇です。
早稲田大学の在学中に集めた古本を、一度実家である福島へ戻って
も、再度東京へ戻ってきても持ち続けていた方が、父親の病気で再
度実家に戻らなければならなくなった方の蔵書を買う話。もう東京
には戻れない、という決意で、本を処分されたのです。私はその時、
この方の早稲田での記憶そのものを買うという気分になったのでし
た。こんな、出来事たちが、第一部の「日々の帳場から」に収めら
れています。

 第二部はまさしく日記です。毎年10月に開催される早稲田最大
のイベント「早稲田青空古本祭」へと向かう、6月から古本祭最終
日までの日記になっています。業界全体からみれば、ただひとつの
古本市ですが、地域最大のイベントへ古本屋がどんな気持ちで向か
っているのか、書いてみました。

 この本には古本の薀蓄や、稀覯本の話は出てきません。むしろ
「古本」についてではなく「人」について書いたつもりです。まず
は人ありき。これからも、古本を通じてお客さんと物語を作れるよ
うな、そんな店番を続けていきたいと思います。

 この本をまとめていて、やっぱり自分はこう思っていたのだな、
と思ったことがあります。その一言は、本編(第二部の日記)の一
番最後の行に、そっと添えました。手にとってご覧いただけました
ら幸いです。


■向井透史 むかいとうし■

1972年早稲田生まれ。早稲田の古書店、「古書現世」二代目。
月刊「WiLL」( http://web-will.jp/ )にて〈早稲田古本
劇場〉を連載中。
2006年秋には、未來社のPR誌「未来」
( http://www.miraisha.co.jp/mirai/mirai.html )
で連載していた早稲田の古書店主たちの開店するまでの
エピソードの聞き書きを大幅加筆して同社より刊行予定。
ブログ「古書現世店番日記」( http://d.hatena.ne.jp/sedoro/


■『早稲田古本屋日録』■

著者:向井透史
発行:右文書院( http://www.yubun-shoin.co.jp/
   2006年2月発行
定価:1,575円(本体:1,500円)
ISBN:4−8421−0066−4
判型:四六判
ページ数:199ページ


☆次回のメルマガ『自著を語る』は、古書窟揚羽堂・志賀浩二さん
の「古本屋残酷物語」(B6判 232頁 2,100円 発行:
平安工房 http://www.heian-koubou.biz/ 発売中 )です。

ご期待下さい!

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「古本屋が書いた本」展目録■

2005年4月21日から4月24日まで東京古書会館にて
行われました「古本屋が書いた本」展に合わせて目録を発行
いたしました。
http://www.kosho.ne.jp/event/chosaku.htm

B5判、52ページ、700点以上もの著作を掲載。
1部500円(+送料210円)。

まだ残部がございますので、ご希望の方は、本代500円+送料
210円合計710円分の切手を同封のうえ、郵便番号、住所、
氏名、電話番号を明記のうえ郵便にて下記までお申し込み下さい。

101-0052
東京都千代田区神田小川町3−22
東京古書組合・広報部 

まで。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■日本の古本屋 即売展情報■

5月〜8月の即売展情報
http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

新宿展の日程が変更になっております。
最新情報をご確認下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本の古本屋バックナンバーは以下のURLからご覧いただけます。
見逃したメールマガジンはここからチェック!
【バックナンバーコーナー】
http://www.kosho.ne.jp/melma/

次回は2006年6月中旬頃発行です。
お楽しみに!

*゜*.:*☆ 本を売るときは、全古書連加盟の古書店で ☆*.:*゜*
全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,400店加盟)の略称です

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本の古本屋メールマガジンその40 2006.5.24

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・事業部・TKI
    東京都千代田区神田小川町3−22 東京古書会館
    E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
    URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
    広報部:中野照司 藤原栄志郎
    事業部:田中隆志
    TKI:岩森正文

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・このメールマガジンは、日本の古本屋に会員登録をされた方で、
 メールマガジンを希望された方に配信させていただいております。
 ご不要の方はお手数ですが 、会員情報変更画面
 ( https://www.kosho.jp/servlet/kaiin.ksK201S )で
 『メールマガジンを受け取らない』という設定にご変更ください。

・こちらのメールアドレスは配信専用です。返信を確認できません。

・メールマガジンの全てまたは一部を無断で転載することを禁じま
す。

・メールマガジンの内容に対するご感想はmelma@kosho.ne.jpまで。
 今後の編集の参考にさせていただきます。

・メールマガジン内容以外のご質問はinfo@kosho.or.jp へお願い
 いたします。担当が違いますので、ご質問にお答え出来ない場合、
 ご返信が大幅に遅れる場合がございます。

============================================================
☆*.:*゜*・゜☆*.:*゜*・゜☆*.:*゜*・゜☆*.:*゜*・゜☆*.:*・゜
============================================================


。.:*゜・*v 日本の古本屋☆イベント&古書店情報 v.:*・*:.。


◇◆◇「日本と世界の蔵書票展」と蔵書票イベント
  −−美しき蔵書票の世界−− ◇◆◇


「蔵書票」は「自分が所蔵する本であること」を示すための小紙片
で、愛蔵書の見返しに貼ります。日本でも明治33年の昔から人気
版画家たちが作り始め、その美しさゆえに「紙の宝石」と呼ばれて
蒐集対象になっています。

 このたびの展示では、蔵書票愛好家たちの交流団体、日本書票協
会が所蔵する膨大な蔵書票の中から、逸品を数百点展示することに
なりました。武井武雄、川上澄生、前川千帆といった著名版画家の
作品はもちろん、坂東壮一、アルフォンス井上、杉本一文、山高登
ら現代人気版画家の美しく味わい深い作品や、東欧版画家の細密蔵
書票も一堂に会します。

 蔵書票の版木や珍しい土鈴蔵書票、新進女性版画家たちの工夫に
満ちた手づくり蔵書票集、そして古書店主の蔵書票や古書価値の高
い蔵書票集なども展示します。さらには型染蔵書票の制作実演やけ
しゴム版画で蔵書票を作るワークショップや製本教室、版画家座談
会など盛りだくさんの内容です。ぜひお越し下さい。

(田中栞・日本書票協会編集顧問)


♪イベントについてのお問い合わせは、田中栞までお気軽にどうぞ♪
田中栞 TEL&FAX 045-431-1260
E-Mail  koubaido@cam.hi-ho.ne.jp


日にち/ 2006年6月2日(金)〜6日(火)
場 所/ 東京古書会館2階ギャラリー(入場は無料です)
時 間/ 10:00〜18:00
主 催/ 日本書票協会 
     千代田区内神田1−5−11セントラル大手町ビル301
TEL/ 03−3291−5519
E-Mail/ exlibris@oregano.ocn.ne.jp
後 援/ 東京都古書籍商業協同組合


期間内に多数イベントがございます。 詳細は、

◇◆◇アンダーグラウンド・ブック・カフェ
  (6月4日〜6日 東京古書会館地下ホールにて開催)◇◆◇

ホームページ内でご確認ください。  
URL  http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu

皆様のお越しをお待ちしております!


【戻る】



(C)2006 東京都古書籍商業協同組合