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☆INDEX☆
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  1. 古本好きに「ちくま」 青木 真次
  2.「江戸の板本」新装版  中野 三敏
  3. 次回予告

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━━━━━━━━━【シリーズ編集長登場(1)】━━━━━━━━

古本好きに「ちくま」
             月刊『ちくま』編集長 青木 真次

出版社の倉庫の薄暗い片隅には、古い絶版本が人知れず眠っている
ことがある……。知人から何度か聞かれたことがあります。古本好
きなら誰でもそんな空想をすることでしょう。残念ながらそんなこ
とはまずあり得ません。
と、いきなり、皆さんの夢をぶち壊すようなことから始めてしまい
ましたが、創業70年を迎えた筑摩書房の倉庫にも、貴重な絶版本
が転がっていたりはしませんが、PR誌「ちくま」を古本好きの人た
ちにお勧めしたいと思います。

新年号の目次には、坪内祐三「探訪記者・松崎天民」、鹿島茂「神
田神保町書肆街考」、荻原魚雷「魚雷の眼」など、古本の香りのす
る連載が並んでいます。また、昨年までの表紙は林哲夫さんの本を
テーマにした絵でしたが、新年号からは小沢昭一さんの昭和の風景
写真です。こちらもどことなく古本ぽい雰囲気です。もちろん、出
版社のPR誌ですから、自社刊行物の紹介や刊行情報も詰まっていま
す。

世は挙って電子出版話で湧きあがっていますが、紙のPR誌で本の面
白さを伝えようとすれば、おのずと古臭くなるのかもしれません。
でも、それでいいじゃないですか……。
ほかには、佐野眞一、鈴木理生、斎藤美奈子、中野翠、与那原恵、
前田英樹、小林信彦、古田博司、岸本佐知子、なだいなだ、保坂和志、
沖浦和光、小路幸也といった連載があります。ノンフィクション、
小説、エッセイ、時評などわずか80頁の中に満載です。それと、
なかなか「ちくま」が手に入らないといわれますが、ぜひ定期購読
をお願いします。

今年元旦に逝去された「彷書月刊」編集長の田村治芳さんが、昨年
8月号から10月号には同誌の思い出を書いています。田村さんは
「ちくま」に目を通しては、「あの連載はおもしろい」などと一声
かけてくれていました。あの世でも田村さんが読んでくれるような
誌面を目指していきたいと思います。皆さんのご愛読お願いいたし
ます。


 月刊『ちくま』
  http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/

 

━━━━━━━━━━━【自著を語る(47)】━━━━━━━━━━

「江戸の板本」新装版
                     中野 三敏

 執筆にとりかかったのは、丁度、年号が平成となる頃だった。
「新日本古典文学大系」の月報に連載する為だったのである。きっ
かけは「板本」(はんぽん)という用語そのものが、かなり詳しい説
明をしないと通用しなくなりかけていることに気がついた所から、
その取り扱い方についてきちんとした書誌学的な事柄を、自分の経
験に基いて出来るだけ具体的に書いてみようと思ったからである。
 従来、書誌学といえば江戸以前の古写本時代を中心に述べられる
ものが殆んどであり、板本などは珍らしくも何ともないものなので、
そんな必要はないと考えられていたからでもある。その為、対象と
した読者も、せいぜい研究者の卵向けにというつもりだったことは
間違いない。

 しかし、それからもはや二十年ほども過ぎた今、明治以来の日本
人の江戸離れは予想外に加速してしまった。今や板本どころか、そ
の最も基本的な構成要素である変体仮名と草書体漢字を読む能力の
保有者そのものが、せいぜい三千から五千人ほどの人数になってい
るのではないか。そのくせ、昨今の風潮は妙に江戸が話題になるこ
とが目立つ。その最たるものが所謂「エコ」なる語彙の濫発である。
恐らく未熟な近代主義の行き詰りが、このような風潮の引き金にな
っているのであろう。

 とすれば江戸専門の研究者としては、初めて社会の御役に立つべ
く要請を受けたことになる。ならばやはり出来るだけ正確な情報の
発信に心がけねばなるまい。江戸に関する知見は基本的に文字情報
に依らざるを得まい。それは書物として存在する。そして江戸の書
物の最も特徴的な存在は、木版印刷された板本である。
 かくして吾が「江戸の版本」新装版は、その刊行理由を確かに保
証されることになった。めでたしめでたし。


中野三敏『書誌学談義 江戸の板本』岩波書店
   定価 2,940円(税込み)(好評発売中)
http://www.iwanami.co.jp/

中野三敏『古文書入門 くずし字で「百人一首」を楽しむ』角川書店
  定価 2,100円(税込み) (好評発売中)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200910000146

 

 

━━━━━━━【日本の古本屋 かべ新聞発行】━━━━━━━━━

東京古書組合発 かべ新聞発行しました。

東京古書組合では、今年からかべ新聞を発行いたします。古本に関す
る話題や、対談などを中心に、隔月で2年間発行する予定です。
かべ新聞は全国古書籍商組合連合会加盟店にてご覧頂けます。

第1回は国立国会図書館の長尾真館長と東京古書組合の小沼良成理事長
が対談しました。

詳しくはこちら http://www.kosho.ne.jp

 

 


━━━━━━━━━━━━【次回予告】━━━━━━━━━━━━
 
塩沢実信
  『戦後出版史』論創社刊 
http://www.ronso.co.jp/


鈴木俊幸
  『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』 平凡社刊
http://www.heibonsha.co.jp/


 

━━━━━━━━━【日本の古本屋即売展情報】━━━━━━━━

 1月〜2月の即売展情報
http://www.kosho.or.jp/servlet/sokubai.ksB001

 

 


 

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全古書連は全国古書籍商組合連合会(2,300店加盟)の略称です

http://www.kosho.or.jp/public/buyer/search.do

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日本の古本屋メールマガジンその99 2011.1.25

【発行】東京都古書籍商業協同組合:広報部・TKI
     東京都千代田区神田小川町3−22 東京古書会館
     E-Mail melma@kosho.ne.jp (メールマガジン専用)
     URL  http://www.kosho.or.jp/

【発行者】
     広報部:西村康樹
         編集長:藤原栄志郎

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