新着情報 2012年

中央線支部
支部長の書店巡り vol.2



古書 玉椿
多摩市一ノ宮 2-19-1 カリアンドラU 1F  TEL:042-319-3169
http://tamatsubaki.net/

 古本屋を始めてまだ2年という若い本屋さん。本屋そのものも若いが、店主がまだ20代と思われる初々しい女性なのだ。中央線支部内でも女性が一人で店舗を構えて商売をしているのは、ここ玉椿の石井佐祐里さんだけかもしれない。

聖蹟桜ヶ丘駅から5分ほどの路が二股に分かれるデルタ部分に店があった。ベンチを置いた木のデッキの先にガラスのドアがあり、入ると末広がりの店内右側に3人座るのがやっとのカウンターがあってコーヒーが飲めるようになっている。左側には動物のぬいぐるみが置いてあり、その奥は両側の壁と正面の棚、中央の机に北欧や手芸関係の本、民俗学関連の本、絵本が並んでいる。決して広いとは言えないスペースを雑然としかし上手に使っている。

『フィンランド語は猫の言葉』(稲垣美晴著)に触発されてフィンランド語の教室で学び、現地のサマースクールにも参加して言語だけではなく文化全般に興味を持った。これが古書玉椿の原点となっている。その後ポラン書房で2年弱修業してこの世界に入った。「旅する本屋」としては、昨年はトルコ、ブルガリア、ルーマニア、ロンドン、パリ、ベルギーに行って本や雑貨を買い付け、今年もすでにベルリン、ポーランド、ベルギー、モロッコに出掛けている。

店での買い取りはほとんど無く、組合市場も使うが、HPでの郵送買取りや海外での買い付けも多い。雑貨類はよく売れるとのこと。いまは刺繍やレース、ペインティング、木工などクラフト全般の本を扱っているが、将来的には資料的価値が高く美的にもすぐれた、書籍以外のものも扱いたい。店売はあまり期待できないがHPを見て訪れる客もいるからないがしろにはできない。並行してアートブックバザールや池袋西武などの催事に参加したり、玉椿の企画によるクラフトブック・マーケットで手芸書と雑貨を展示即売をしている。

9月24日から10月6日まで銀座1丁目にあるクラフトアートギャラリー銀座ソレイユで「クラフトブック ・マーケットin銀座」と題した即売会を開くが、銀座、大阪、中目黒に続く4回目の催しとなる。小さな規模であっても全国の手芸愛好家たちが本当に喜んでくれる販売会を各地で展開したいと思っているし、今後も一層喜ばれる書籍や品物を揃えていきたい。旅する本屋―玉椿の旅はまだ始まったばかり、前途遙かだが夢は大きい。(K)

(この記事は中央線支部報2012年9月号から)


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