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  厳選目録
当店目録より屏風・掛け軸・書畫・稀覯本など数点を掲載いたします。(当店目録より数点抜粋)

  厳選目録




 大肥前国物産図考「小児の弄鯨一件の巻」全一帖
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木崎盛標 折帖 紙本彩色 約26.9糎×17.3糎 74場面(全長1280糎) 原装帙入 江戸中期頃 上写 保存良
「小児の弄鯨一件の巻」は肥前唐津藩藩士木崎盛標が安永年間に完成させた、あらゆる捕鯨絵巻の元となる超一級の最高傑
作絵巻。本図帖は佐賀県の重要文化財に指定された、佐賀県立博物品とほぼ同一の内容であるが、書込みが多く、文言や場
面の移動、表情の描写に違いがあり、人物においてもユーモラスな表情となっており興味深い絵巻となっている。序文の次
に鯨漁図が続き、海上里数、小川島、山県、漁具等の説明文は末に移され、踊りの図を欠くが跋文で別図の二枚を省略し、
小児にも見やすいようにと記しているのが特色といえよう。これ迄に紹介されたことのない、藩への献上前の作品とも思料
できる。謎の多いとされる物産図考の原本研究にも大いに役立つであろう貴重な資料といえる。痛み少なく保存概ね良

 野村望東尼書状 馬場文英宛 一通一巻
売約済
慶應元年一月二十日付 本紙約十七×一三三糎 八十四行
巻物仕立 保存良好 箱付
月日のみで年号は記してないが、慶應元年正月のもの。初度の長州征伐と再度との間、幕末の政情混乱の最高潮時代のも
の。文中「……長州のかたは正月七日此れより日々くらひに萩と正義の古い中との戦ひはじまり、大かた正義の方かちとは
申ものから……」「……日本一といひし長州、かくまてにあさましきありさまになりしは、かしこくも天朝いまた時いたら
せ給はぬにや、かなしといふもさらなり……」「……うちかえし薩摩は精義をたて、大島三右衛門(西郷隆盛)はしめとし
て、かのかたおしこめられし正義士御めんに相成、此度の御周旋も、大島なとのちからつくし大かたならす……」内容豊富
かつ最も面白い。望東尼、時に六十才、この一昨年末高杉晋作をかくまい、のちこの年十月姫島へ流罪となる。宛の文英、
京都に於ける勤皇家、黒田家御用達の家で野村家とは親戚。筑前福岡藩の京都藩邸聞役で六月に投獄される
日野村望東尼(一八〇六〜一八六七)
幕末女流歌人・勤皇家 名はもと。福岡藩士野村貞貫の後妻。夫に死別後剃髪。和歌を大隈言道に学び、歌集に「向陵集」
など。高杉晋作、平野國臣、西郷隆盛らと親交、庇護し、捕えられ姫島へ流される。

 大久保利通自筆書状 西郷隆盛宛 一通  (木戸孝允、黒田清綱書簡ほか計七通) 一巻 
売約済
 
大久保は一蔵の署名 宛の西郷は流罪時の大島吉之助の名 第一次長州征伐総攻撃前(元治元年一八六四)十月六日付
大久保は薩摩藩軍賦役、西郷は長州征伐の総責任者 文面に「十六日十九日の御門合去る二日相田達…、其元形勢日々相変

阿部閣老、尾公(征長総督徳川慶勝)、越公(征長副将松平茂昭) 御会議之処合論二征長速二相違…、小松家(帯刀薩摩
藩家老)出立、 黒田善右衛門(薩摩藩軍賦役、黒田清綱)出郡…、」
他に「一橋(慶喜)、勝安房(幕府軍艦奉行)、芸州(広島)陸路突入、最初筑前…小倉振替、薩摩藩の藩船、翔鳳丸、小
蝶丸、安行丸の出帆、長崎エ器械積、修復中・・・」特に勝安房守御面会の由、議論の趣実感服人候、一橋の処、忌緯ヲ憚り
…、徳川氏之興亡実二此一挙二…
これより薩長同盟、幕府崩壊、明治維新に至るが、長州征伐攻撃前、大久保と西郷の綿密なる当時の緊迫した状況が
窺える長文(中字90行)かつ重要で内容ある一級資料
別にこの征長に参戦の黒田清綱が大久保の自筆と認める書状と 薩長同盟の木戸孝允他、
本状集に関連の計七通を一巻に美装 函入

 鍋島直茂・忠茂書状 二通 一幅
売約済
 
慶長頃 総丈一六八×六一糎 絹本装箱付 保存良好 
(一)鍋島加賀守直茂(肥前佐賀藩初代藩祖)書状 慶長頃 五月三十日付 本紙十六×四十七糎 十行 信州帰国之節・・・ 
加賀守・直茂(署名) 忠茂宛 
(二)鍋島和泉守忠茂(肥前鹿島藩初代藩祖)書状 慶長頃 師走三日付 本紙一七四×四二糎 十行 急度比地可相越候・・・
 泉・忠成(署名)
いづれも自筆と思料。やや読みづらい字である。(一)は鍋島家歴代の基礎を築いた直茂の書状。文中の信州は直茂の長男
にして佐賀藩初代藩主勝茂のこと。本状は加賀守直茂の書状があり、勝茂家督相続の頃で晩年の筆と思料。宛は鹿島藩祖に
して、直茂第三子忠茂。(二)はその忠茂の書状、宛は記さず。
箱書「日峯公得髄公手牘公手牘合装」横に「絅錦堂蔵 直茂公・忠茂公 御筆」 鹿島藩主直彬公の号は絅堂、鍋島家旧蔵


 備前岡山藩 池田家歴代藩主書状 附岡山藩藩政文書 磯部家宛 一括 
売約済
藩主書状 十六通(慶長九年〜文化七年)
藩政文書 十二点十九枚(天保二年〜明治四年)虫喰有 保存大体並
細目
【藩主書状】十六通
池田利隆二通 見舞状 領地宛行(備前国津高郡、播磨国魚可郡)
(一)慶長九年頃(新蔵照直著、卜安宛)(二)慶長十八年(利隆署、播磨国姫路藩主ノ時)
初代光政二通 領地宛行(因幡国高草郡、備前国和気郡)
(一)元和四年(幸隆署、鳥取藩主十歳ノ時)(二)寛永十年
二代綱政三通 領地宛行(備前国和気郡、児嶋郡)
(一)宝永二年(二)貞享元年(三)正徳九年
三代継政四通 領地宛行(備前国和気郡、児嶋郡、津野郡)
(一)享保三年 (二)享保十八年 (三)延享三年 (四)元文三年
四代宗政一通 宝暦四年 領地宛行(備前国和気・児嶋・津野郡)
五代治政一通 元和元年 領地宛行(備前国和気・児嶋・津野郡)
六代斉政二通(一)寛政八年 (二)文化七年 共に領地宛行
六代政養(備中鴨方藩)一通 文化五年 領地宛行(備中国朝江郡)
【藩政文書】十二点十九通
一、御代官所皆済御黒印(正保、明暦、万治、寛文)五通 二、池田家御系図拝領證書(元文三年)一通 三、御書御献立
記録添一通 四、御筆(火の用心申付書)一通 五、御家中知高切米御扶持書(合三十一万石)一通 六、小作事構御修理
書(寺社、元文三年)一通 七、茨木権太郎自筆書状一通 八、口上書(天保四)一通 九、奉願口上書(国清寺宛、宝永
七年)一通 十、安井助左衛門書付(森寺説、廣沢説、池田説)一通 十一、大道寺友山和歌小品一枚 十二、幕末明治書
付(安政六年〜明治四年)四通
池田輝政の長子、利隆公(岡山藩初代藩主忠継公が幼少の為約十年間岡山藩政を担当、のち姫路藩主)の書状をはじめ、利
隆公の長子で名君と称された実質的な初代藩主光政公より六代斉政公迄の歴代藩主書状十六通。いづれも藩士磯部家に伝わ
る領地宛行状(一通のみ見舞状)。他に御代官所皆済黒印状、御家中知高切米御御扶持等、岡山藩藩政関係文書を附す。い
づれも元包紙付が多く、原装のままに伝わるウブなもの

 斉藤秋圃 蘭亭曲水の図屏風 一双
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一面に蘭亭の会を、もう一面に曲水の宴、合わせて蘭亭曲水を描く。二面合わせて十二曲。春の宴を迫力強く表している。
この人らしい、人物にユーモアを交えた図で一人一人にそれぞれ特徴ある表情が描かれ響味つきないものである。秋圃、晩
年は大宰府に住す。大宰府天満宮の曲水の宴は今も続く有名なもの。
秋圃八十歳 弘化四年(1847)作 絹装
秋圃:(1796-1861)徳川末期の画家。京都に生まれ、旧姓池上、のち斉藤に改める。諱を相行といい、葵臻平、葵衛、双
鳩子、土筆翁、穐圃と号す。はじめ応挙について円山脈を修め、のち長崎に遊び江稼圃に傾倒、画名をあげ享和三年秋月候
のお抱え絵師となる。晩年は大宰府に隠栖、九十二歳没。花鳥人物及び武者絵をよくし、鹿の絵を得意とす。著作に「葵氏
艶譜」「つはものづくし」等。筑前四大画家。

 斉藤秋圃 七福神の図屏風 六曲一隻
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左より福禄寿と鹿・寿老人と亀・布袋と子供・恵比寿と大黒天・毘沙門天・弁財天。それぞれ個性ある図。五面に各々米
寿翁と記し秋圃の印。秋圃晩年の作。金欄装の豪華屏風。
秋圃米寿八十八歳 安政二年(1855)作 金欄装 本紙 縦128糎 横54糎

 広瀬旭荘書屏風 一双
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本紙各約縦130糎×横54糎 総丈各縦172糎×横370 金欄装 保存経年概ね並 江戸後期頃作
旭荘:文化四(1807) - 文久三(1863) 江戸後期幕末儒者 ..豊後国(大分日田出身) 亀井昭陽に師事 兄に淡窓 
代表著書に「日間瑣事備忘」

 平野五岳書画屏風 一双
売約済
本紙各約縦110糎×横31糎 総丈各縦143×横260糎 江戸後期頃作
保存経年概ね並 経年シミあり

 筑前国続風土記附録 早良郡 三巻全一冊
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三巻全一冊 原装 保存大体良
「筑前国続風土記附録」は、天明四年福岡藩が元禄期に貝原益軒が編纂した「筑前国続風土記」に続く詳細な地誌を、加
藤一純に命じ寛政五年に書き上げ、寛政十年鷹取周成が更に追加しこれを完成したもの。この「附録」の原本は今に伝わ
らず、写本の完本も少ないとされ、昭和五十二年に平岡浩太郎旧蔵の程度のいい浄書本を基に文献出版より刊行に至る
が、この時平岡本は、早良郡之部が不明で別筆の写本で補われている。
本書はこの刊本に採用の写真版と照らしあわせると、この間正に長く不明とされていた平岡本の早良郡之部原本といえ
る。刊行後、平岡本も不明となっており、この幻の本の出現は極めて貴重。彩色で描かれた友泉亭、紅葉八幡宮、飯盛権
現社等の図九枚の挿絵入。表紙に多少の痛みがあるが本文に全く差し支えなし。

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