森井書店では多くの文学書籍の中でも《初版本》、《署名入り本》などの特色を持った書籍を中心に集めております。

■初版本■
 日本文学のほとんどの名著は、現在でも新刊本書店で求めることができます。にもかかわらず、『初版本』が求められ、時として高値を付けるのはなぜでしょうか。その理由はお求めになられるお客様によりさまざまですが、初版本は、その著作が始めて世に出たときの姿であり、著者にはその本が好評を得られるかどうか分からず、読者も一体著者がどんなことを書いてきたのかわからず、お互いにどきどきしながらその本の行く末を見届けようとした、そんな臨場感が伝わってくるからなのかもしれません。

取扱商品例 1

◆絶望の闘争◆
120,000円
萩原朔太郎著 第一書房 昭和十年
神保光太郎宛ペン献呈入(「著者」として署名) 初版 カバー付(少イタミ有)

▼後世に絶大な影響を与えた萩原朔太郎の詩論・エッセー集です。署名入りの希少本。献呈署名の神保光太郎もやはり詩人として活躍。

    

取扱商品例 2

◆鴛鴦帳◆
180,000円
泉鏡花 止善堂 大正7年 初版 天金 小村雪岱装 函付 印有 函イタミ

▼多くの文学者の書籍の中でも独特の地位を占める、通称『鏡花本』。泉鏡花の著作が特別視されるのは、その著作が通俗的な題材が多いにもかかわらずきわめて深い苦悩を背負った、そしてその苦悩が現代人の心をも共振させる力を持ったものであるからという純粋に文学的な価値によるばかりではなく、泉鏡花がその独特な美意識から挿絵に強い関心を抱き、積極的に取り入れていったから。
 画家の鰭崎英朋、小村雪岱、鏑木清方の3人は鏡花本挿絵作家としても特に有名で、彼らが作成した美麗な木版画がよい状態で保存されているものは、どうしても高値で取引されます。江戸時代の黄表紙本から現代のラノベまで、連綿と引き継がれているエンターテイメント書籍の世界の、ひとつの頂点です。

    

 
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