中央線支部 支部長の書店巡り

中央線支部
支部長の書店巡り vol.8



中央書籍販売 高円寺店
    杉並区高円寺北 2-10-6  Tel: 03-3338-0961 


 高円寺駅北口には中央線と直角に早稲田通りに向かって3本の商店街が並んでいる。 その内の中野寄りの商店街を「あづま通り」と呼び、その通りの入口近い場所に中央書籍の高円寺店がある。「あづま通り」は他の2本の通りに比べて人通りも少なく、華やかさにかける。

そこを盛り返そうと5月から毎月第三土曜日は商店街に鎮座する「弁天さま」の縁日ということで、さまざまなイベントが行われることになった。取材に訪れたのはその1回目で、あづま通りの古本屋が中心になって「縁台古本市」が開催されていた。社長の武田洋一氏は1980年代のオカルト・ブームの火付け役として有名で、学研のオカルト雑誌『ムー』の創刊に関与し、神道、神霊学、易学、オカルトなどを専門とする出版社・八幡書店を立ち上げた。

武田崇元などの筆名で出口王仁三郎やオカルト関係の本も書いている。Wikipedia によれば「80年代前半日本オカルト精神世界関係者の間では<オカルト精神世界の実力者>として畏怖されていた」そうだ。そう言われると、黒いソフト帽に黒シャツと黒いジャケットの大柄な武田氏の姿はなんだか怪しい雰囲気を醸し出している。だが中央書籍の書棚を覗くと、易学や神道関係の本も並んではいるが僅かな数である。

武田氏によれば、その種の本は目録優先で販売するし、同じことばかりやっていても面白くないので、店にはあまり置かないとのことだ。八幡書店のDMを見ると、中央書籍の古書目録が載っており、比較的高額の本が並んでいた。古本の目録としては足は速いそうだが、やはり顧客の高齢化と不況の 影響で翳りをみせているという。

店の棚はおもに人文系の専門書を中心に構成されているが、高円寺にはミュージシャンやアーティストの若者が多く、好奇心が大きい。でも彼等は金を持っていないので、市場ではジャンルを問わずいろいろ買い付けて、見切ったものは均一台で安く売ることを心がけているそうだ。ちなみに店はアルバイトで廻しているが、かれらもミュージシャンとのことだ。(K)

(この記事は中央線支部報2013年4月号から)


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