理事長がゆく

「古本屋らしい古本屋」になろう 株式会社雄松堂書店 代表取締役会長 新田満夫氏

 
古本屋らしい古本屋になろう
新田
いま雄松堂書店は「本屋らしい本屋」というイメージを描いて活動しています。「本屋らしい本屋になろう」とあくまで本屋です。だから古本屋さんも「古本屋らしい古本屋」になろうという活動をすればいいんです。古本が汚いといわれるのであれば除菌する、箱に入れる方法を検討する、本の保存についてはデジタル化も研究し、図書館に重複本があれば市場に還元する方法を考える、そういった運動をすればいいと思います。  
小沼
ほんとに耳が痛いというか、今日お話を伺ってここに来ざるを得なかった理由がよくわかりました。
新田
家業を継いだ人、念願かなって開業した人、残念ながら別の道へ進んだ人、それぞれあると思いますが、現在の組合員さんはいろんな過程を経て古本屋としてあるわけです。ここにいるみなさんも「馬鹿な道を選んだ」と後悔している人はいないと思います、そうでしょう。私自身、自営業を選んだ自分を誇りに思っています。私がこの業界に入った頃、世はまさにバブルの真っ只中、クラス会へ行くと、一流企業に勤めている友人は羽振りが良くてね。いまこの年になると私が一番偉くなりましたけど(笑)。自営業には定年がありません。「この業界だけはどんな時代になっても自分の目と経験の積み重ねで一人前になっていくんだ。誇りを持って古本屋をやっているんだ。厳しい世界だから軽はずみに古本屋になろう、なんていう人間は組合員にしない。」それくらいの覚悟を求めてもいいと思います。ちょっとやってすぐやめちゃう、ネットでチョコチョコっとやれば売れちゃうから、みたいな軽い気持ち。古本屋になることに誇りを持ち、文化を継承するんだという真剣さを求めたいですね。
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