

- 小沼
- 「古書の日」やまさかのゆるキャラなど、大阪の方々は発想がユニークですよね。私も含め、東京の人間にはアイデアを生み出す、というところがどうも苦手でして。この2つは、どの様に生まれたのか教えてください。
- 岡田
- まず「古書の日」ですが、
大阪組合の前理事長である廣岡倭さんがきっかけです。「このままでは古書業界がどんどん沈んでいってしまう。なんとかしなければ」という思いから始まりました。ちょうど大阪の島屋で榊莫山先生の展覧会が開催されていて「ちょっと頼んでみようか」と、アポイントメントもとらず四、五人で先生の会場へお願いに参りました。
「古書業界のものです。ぜひ何か書いていただけないでしょうか」と切り出したところ、『古本』に何かピンとくるところがおありだったのか「ワシは古本にはいたく世話になっているからな。そんなら何か書こうか!」と、とんとん拍子に話が進んでいきました。当時、近鉄線の名張にお住みでしたが、どうやら「天地書房」という組合員のお店によく通っておられたようですね。廣岡前理事長を中心に進めていた話でしたが、全国規模の活動にしたい、ということで当時の全古書連大雲理事長ともご挨拶にうかがいました。
小沼
榊莫山先生ほどの書家に書いていただく、となると謝礼など経費についてもお決めになったのですか。
- 岡田
- まぁ、経費のことが心配にならなかった、といったら嘘になります。仲間内でも「心配だなぁ」という話はしていました。ただ、その時はとにかくやりましょう、という意気込みの方が強くて、費用のことは全然話題に上らなかったですね。依頼してから一ヶ月ほどして作品を送っていただきました。
小沼
この応接室にも「古書の日」の額が飾ってありますが、オリジナルは大阪組合さんがお持ちなのでしょうか。。
- 岡田
- いえいえ、この部屋のこの額こそがまさにオリジナルですよ!(笑)大阪組合からスタートした話ですが、最終的には全古書連の総会で決定していただいたものです。ですから本部のある東京組合さんにお渡ししています。コピーじゃないですよ。(笑)