戦前の出版検閲を語る資料展「浮かび上がる検閲の実態」

展示概要

戦前期の日本では、中央官庁の一つであった内務省が出版物の検閲をおこなっており、新聞・雑誌・書籍などの納本が義務づけられていました。しかし、検閲業務で実際に用いられた原本はさまざまな事情により散逸したため、現在確認できるものは、そのごく一部だといわれています。残存する記録が少ないため不明な点が多い出版検閲ですが、現存する検閲原本や内務省の内部文書などから、検閲体制下における出版事情を窺うことができます。
また、戦時色が濃くなると国家総動員法による物価統制の影響が古書にも及び、「公定価格表」が作られました。当時の出版物は、発行前には企画内容の審査、用紙の割当て、発行後には二次流通(古本)の価格に至るまで統制が行われたのでした。
昭和初期の出版検閲についてパネルで解説するとともに、千代田図書館蔵「内務省委託本」ならびに、東京古書組合蔵「公定価格関係資料」など、検閲や出版物統制の実態を今に伝える貴重な本や資料を展示します。
※2011年に千代田図書館で開催された同名の企画展示と概ね同じ内容です。

会期
2018年1月10日(水)〜2月3日(土)
会場
東京古書会館 2階 情報コーナー MAP
主催
神田古書店連盟・千代田図書館
協力
東京都古書籍商業協同組合(東京古書組合)、
小林昌樹氏(千代田図書館「内務省委託本」研究会)

 

関連講演会「浮かび上がる警保局図書課」

内務省警保局図書課は戦前の出版検閲を担った組織です。明治26(1893)年に発足し、昭和15(1940)年には情報局第4部内に出向する形で警保局検閲課と名称を変え、終戦まで存在しました。近年、出版検閲に関する研究は盛んになってきており、文学作品を中心に、どのような検閲を行われていたのかという研究はかなり進んできました。しかし、警保局図書課そのものに関する研究はあまり進んでいません。理由としては、図書課に関する情報が断片的で全体像が描きにくいこと。図書課に居た人々が戦後、回顧談等をほとんど残していないことなどが挙げられます。
本講演では、これまでに得られた断片的な情報を時系列に沿って整理し、制度や業務がどのように変遷したのか、また、課内の職階や検閲官の人数の変化・キャリアパスの分析などを通して警保局図書課がどのような職場だったのかをお話しします。

日時
2018年2月3日(土) 14:00〜15:30
講師
安野一之氏(千代田図書館「内務省委託本」研究会)
会場
東京古書会館 7階 会議室
定員
80人(事前申込制、参加無料、先着順)
申込方法
①電話:千代田図書館 03-5211-4289、4290
②来館:千代田図書館10階カウンター
いずれも平日10:00〜18:00。
1月10日(水)10:00より受付開始。

 

特設コーナー「用紙や価格の統制」

「書籍企画届」「書籍用紙特別割当申請書」(個人蔵)や、「古書籍公定価格総覧」(東京古書組合蔵)など、大変珍しい資料を展示します。

場所
東京古書会館 千代田区神田小川町3-22
電話
03-3293-0161(平日10:00〜18:00)
開館日時
10:00〜17:00(日曜・祝日休館)

 

ダウンロード用チラシ[PDF:約3MB]