理事長がゆく

パジュ・ブック・ソリに出展 パジュ・ブック・ソリ組織委員長
金彦鎬(キム・オンホ)氏

小沼
失礼を承知で私の希望を申し上げますと、韓国の街はハングルばかりで少し戸惑ってしまいます。案内等に漢字を導入頂けると中国人はもちろん日本人にもある程度イメージが伝わりますので、ご検討をお願いしたいなと。
キム
 確かに東アジアでもっと漢字を広める運動を行うべきだと私も感じています。  ところで今日のオープニングセレモニーでも宣言しますが、私は読書振興のためのネットワークを東アジアに作りたいと考えています。小沼理事長にも是非ご協力頂きたいのですが、私は来年にでも日中韓に香港と台湾を加えた五つの国で「本の祝祭」を開催したいのです。それぞれの国が独自に策定した企画を実施しても良いし、協同プログラムを作るのも面白いでしょう。重要なのはそれを各国が協力した一つのイベントとして対外的に発表することです。
小沼
ウェブを使えば距離が離れていても同時多発的な試みが可能ですからね。またこれは私個人の考えにはなりますが、日本には韓国から言語を奪った歴史がありますので、古本屋という立場からできることがあれば協力したいと思っています。 キム 良い本を広めることを通じて、交流が深まれば素晴らしいですね。
***
小沼
紙の本が脅かされている現状について、何かお考えはありますか。
キム
電子書籍が登場したからといって紙の本が無くなってしまうとは思いません。大切なのは多くの人に手にとってもらえるような良い本を作り、広めていくことです。
小沼
日本で定着している文庫や新書が韓国ではあまり受け入れられないということですが、どのような理由からでしょうか。
キム
文化構造が違うとしか言えません。ただ全くダメというのではなく、可能性はあると思います。実際に今もそういったものは出版されていますからね。
小沼
六月に初めて訪問させて頂いた際に強く感じたのは、出版文化に対する皆さんの真摯な情熱でした。それは日本が失ってしまったものだと寂しくなるんです。
キム
ただ、日本には伝統がありますよね。
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