理事長がゆく

パジュ・ブック・ソリに出展 パジュ・ブック・ソリ組織委員長
金彦鎬(キム・オンホ)氏

小沼
 しかしそれをプロモーションするような政治・経済の力がありません。皆さんからは大変な勢いを感じてとても羨ましくなります。パジュにしても二百もの出版社が集まって、共通の目的に向かって邁進していることが伺えますし、ヘイリ芸術村のような場が成立するのは本当に素晴らしい。もし日本で何かしようと思っても、大局的な視野を持てず自分の利益を守るのに必死になってしまうし、強いリーダーシップを発揮するような人材にも乏しいですから、なかなか大きなことができない。
キム
韓国だって難しいですよ。特に出版人は自由ですから、私みたいな人間はそういません(笑)。でもこれからは今までやってきたことを韓国に留めず、アジア全体に広げていきたいですね。
小沼
日本の古書業界は大変な危機に曝されていますが、皆さんの強い想いに触れることで古本屋の役割を改めて考え直すことができ、また古本屋の数多くある日本は文化国家なのだと再認識しました。そのきっかけを作って頂いたことに心より感謝申し上げます。最後に私たちにアドバイスを頂けますか。
キム
韓国では日本の古書愛好者が減っています。若い人が日本のベストセラーを好むようになりましたが、良い本を知っている人は少なくなってしまったでしょう。ただ先程ご提案したようなネットワークを構築し多くの人々が自分の国以外の本を手に取るような世界になれば、新刊・古書問わず新しい地平が拓けるでしょう。出版文化の未来のために皆さんと一緒に活動できる日を強く願っています。
小沼
ありがとうございます。私たちの組合は「日本の古本屋」というウェブサイトを持ち、約九百店の古書店が常時六三〇万点を出品しています。この「日本の古本屋」を「アジアの古本屋」へ拡充することが私たちの目標であり、キム社長の構想と合致する部分も多くあるかと思います。今後とも様々な面で連携することができたら幸いです。

 本日は誠にありがとうございました。
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