ミスター神保町 八木福次郎さんを偲ぶ
偲ぶ会にて
大野 隆さん（版画家）
福次郎さんとの出会いは、私が谷中安規という版画家を追っているときに、福次郎さんの事を知り尋ねていったのがきっかけです。谷中安規についてはやり取りもありましたが、個人的に、というのは残念ながらあまりありませんでした。ですが、福次郎さんがゲスナー賞を受賞され時もそうでしたが、何かの折りにはヤギの蔵書票を作ってお贈りしていました。お名前の八木さんというのはもちろんですが、真っ白な髪や、優しそうで紙を食べている、そんなイメージがつながって、私の中では福次郎さん＝ヤギのキャラクターになっています。
今回偲ぶ会に寄せて作った版画のなかにこのような一文を載せています。「本とのよろこびつたえたい」
これは、「本との幸せ」と「本当の幸せ」の２つの意味をかけています。本に出会うことでずいぶん人生は変わります。そして、福次郎さんは、「こういう良い本がありますよ」と、伝える役割をしてくださったと思っています。
